タクシー業界 コラム

現役タクシー運転手が語る「正直きつい瞬間」と「楽な瞬間」

タクシー運転手の仕事に興味があるけれど、実際のところどうなの?と気になっている方は多いでしょう。求人広告では「自由な働き方」「高収入可能」といった魅力的な言葉が並びますが、現場の本音はどうなのか。
この記事では、現役タクシー運転手の生の声をもとに、仕事中に「正直きつい」と感じる瞬間と、意外と「楽だな」と感じる瞬間を包み隠さずお伝えします。転職を検討している方にとって、リアルな職場のイメージを掴んでいただける内容になっています。


タクシー運転手が「正直きつい」と感じる7つの瞬間

1. 深夜帯の酔客対応

想像以上に気を使う接客

深夜帯、特に金曜日や土曜日の終電後は、タクシー運転手にとって最も神経を使う時間帯です。酔っ払ったお客様の対応は、以下のような点で精神的に疲弊します。
深夜帯の酔客対応で大変なこと:
• 目的地がはっきりしない(何度聞いても答えが変わる)
• 車内で嘔吐されるリスク
• 態度が横柄で威圧的な言動
• 降車時に料金トラブルになりやすい
• 運転中に寝てしまい起こすのに苦労する
ある運転手は「酔客が車内で吐いてしまうと、その日の営業は終了。洗車・消臭作業で2時間以上かかり、クリーニング代は自腹です」と語ります。1回の嘔吐で数万円の売上機会と、1〜2万円の洗車代が消えることもあるのです。
タクシー運転手の年収は歩合制が基本ですから、こうしたトラブルは収入に直結します。


2. 長時間の運転による身体的疲労

腰痛・肩こりは職業病

タクシー運転手の勤務形態は隔日勤務が一般的で、1回の勤務が16〜18時間に及びます。この長時間、同じ姿勢で座り続けることによる身体的負担は想像以上です。
運転手を悩ませる身体症状:
症状 原因 対策
腰痛 長時間の座位姿勢 腰当てクッション、休憩時のストレッチ
肩こり ハンドル操作と緊張 首・肩の定期的な運動
痔 座りっぱなしの姿勢 こまめな休憩、座布団の工夫
眼精疲労 長時間の運転集中 ブルーライトカット眼鏡
むくみ 運動不足と座位 着圧ソックス、水分補給
50代以上の運転手の約7割が何らかの腰痛を抱えているというデータもあります。「若い頃は大丈夫だったが、年齢を重ねるごとに体への負担を実感する」という声は多く聞かれます。


3. トイレのタイミングが自由にならない

「行きたい時に行けない」ストレス

これは意外と知られていない、タクシー運転手の切実な悩みです。お客様を乗せている最中はもちろん、人通りの多いエリアで待機中も、なかなかトイレに行けません。
トイレ問題の実態:
• 駅前や繁華街には公衆トイレが少ない
• コンビニは駐車スペースが限られている
• お客様を乗せたまま「トイレ休憩」はできない
• 深夜は開いているトイレが極端に少ない
• 頻尿気味の方は特に苦労する
「お腹が痛くなってきたけど、良い場所でお客様を拾えそうだから我慢…結局30分以上我慢することに」というのは日常茶飯事です。
タクシー会社の選び方を考える際、休憩室の設備や休憩の取りやすさも重要なポイントになります。


4. 道に迷った時のプレッシャー

カーナビがあっても迷う現実

「カーナビがあるから大丈夫でしょ?」と思われがちですが、実際はそう簡単ではありません。
道案内で苦労するケース:
• 新しい道路や再開発エリアは地図情報が古い
• カーナビの案内が最適ルートとは限らない
• お客様が独自のルートを希望される
• 工事や通行止めで迂回が必要
• 住宅街の細い道での番地探し
特に、地方から上京したばかりの運転手や、東京でタクシー運転手を始めたばかりの方は、「道を間違えて遠回りしてしまった時の申し訳なさとプレッシャーは相当なもの」と語ります。
お客様によっては「プロなんだから道くらい知ってて当然」という態度の方もおり、精神的に追い詰められることもあります。


5. ノルマ・売上目標へのプレッシャー

歩合制ゆえの精神的負担

タクシー運転手の給与体系は完全歩合制または固定給+歩合が主流です。売上が少なければ収入も少なくなるため、常に「稼がなければ」というプレッシャーがあります。
売上プレッシャーの実態:
• 雨の日や月末は稼ぎ時だが体力的にきつい
• 客待ち時間が長いと焦りが募る
• 同僚との売上比較で落ち込む
• 家族を養うために「休めない」心理
• 月末の売上目標未達へのストレス
「今月は子供の学費があるから絶対に○○万円は稼がないと…」というプレッシャーの中で働いている運転手は少なくありません。
タクシー運転手の給料システムを理解した上で、自分に合った会社を選ぶことが大切です。


6. 天候に左右される収入と労働環境

雨の日は稼ぎ時だが…

「雨の日はタクシーが稼げる」というのは事実ですが、その裏には過酷な労働環境があります。
悪天候時の大変さ:
• 雨の日は交通渋滞が激しく、同じ距離でも時間がかかる
• 視界が悪く、事故リスクが高まる
• 濡れた傘や靴で車内が汚れやすい
• お客様の乗降時に自分も濡れる
• 台風や大雪の日は運転自体が危険
「稼ぎ時だとわかっていても、台風の日に無理して出勤して事故を起こしたら元も子もない」という葛藤は、歩合制ならではの悩みです。


7. クレーマーや理不尽な客への対応

接客業ゆえの理不尽

タクシー運転手は、様々なお客様と接する接客業です。中には理不尽な要求をしてくる方もいます。
理不尽なクレームの例:
• 渋滞による遅延を運転手のせいにされる
• 自分の指示したルートなのに「遠回りだ」とクレーム
• 料金が思ったより高いと支払いを拒否
• 些細なことで会社にクレームを入れる
• 暴言や脅迫的な言動
「お客様は神様」という風潮の中、理不尽な要求にも我慢せざるを得ない場面があります。ドライブレコーダーの設置が進んでいるとはいえ、精神的ダメージは大きいものです。

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タクシー運転手が「意外と楽」と感じる6つの瞬間
きつい面ばかりお伝えしましたが、タクシー運転手には「思ったより楽だな」と感じる瞬間も多くあります。


1. 人間関係のストレスが少ない

一人の時間が長い快適さ

これは多くの運転手が口を揃えて言う、タクシー業界最大のメリットです。
人間関係が楽な理由:
• 基本的に一人で仕事をする
• 上司に常に監視されることがない
• 面倒な社内政治や派閥争いとは無縁
• 同僚との競争はあるが直接的な対立は少ない
• 休憩時間も一人で自由に過ごせる
「前職では上司や同僚との人間関係に悩んでいたが、タクシーに転職してからその種のストレスがなくなった」という声は非常に多く聞かれます。
タクシー業界への転職を考える方の中には、この「人間関係のシンプルさ」を魅力に感じる方が多いのです。


2. 自分のペースで休憩が取れる

時間の使い方が自由

隔日勤務の長時間労働ではありますが、休憩のタイミングは基本的に自分で決められます。
休憩の自由度:
メリット 具体例
好きな時に休める 疲れたら公園で30分休憩
食事時間が自由 ラッシュを避けてランチ
仮眠も可能 深夜に2時間仮眠
趣味の時間確保 昼休みに読書や動画視聴
「会社員時代は休憩時間も上司の目が気になったが、今は誰にも気兼ねなく休める」という解放感は、この仕事の大きな魅力です。


3. 通勤ラッシュと無縁

満員電車からの解放

タクシー営業所に出勤する時間は、一般的な会社員の通勤ラッシュとはずれています。隔日勤務の場合、出勤は朝7〜8時頃が多く、ちょうど通勤ラッシュのピークを避けられます。
通勤ストレスからの解放:
• 満員電車に揺られることがない
• 遅延によるイライラもない
• 自家用車やバイクで快適に通勤できる
• 会社によっては送迎バスもある
「毎日片道1時間、満員電車に揺られていた頃を思うと、今の通勤は天国」という元サラリーマンの運転手も多くいます。


4. 年齢制限がほぼない

定年後も働ける安心感

タクシー業界は人手不足もあり、年齢による制限がほとんどありません。二種免許さえ取得すれば、60代、70代でも現役で働けます。
年齢の自由度:
• 定年退職後の再就職先として最適
• 70代の現役運転手も珍しくない
• 年齢による給与差別が少ない
• 体力さえあれば長く稼げる
「65歳で前職を定年退職したが、まだまだ働きたかったのでタクシー運転手に。70歳までは現役で頑張りたい」という方も多くいます。
タクシー運転手の求人情報を見ると、60代歓迎の会社が多いことがわかります。


5. 運転が好きな人には天職

趣味と仕事の一致

「運転すること自体が好き」という方にとって、タクシー運転手は理想的な仕事です。
運転好きにとってのメリット:
• 一日中運転していても苦にならない
• 様々な車種に乗れる(会社によっては高級車も)
• 都内の道路事情に詳しくなれる
• 運転技術が向上する
• ガソリン代を気にせず運転できる
「趣味でドライブするのが好きだったから、仕事で運転できるのは最高。しかもお金がもらえる」という声も聞かれます。


6. 頑張り次第で高収入も可能

実力主義の魅力

歩合制はプレッシャーでもありますが、頑張った分だけ稼げるというメリットでもあります。
高収入を実現している運転手の特徴:
• 効率的なルート選択ができる
• お客様がつきやすい場所を熟知している
• リピーターを獲得している
• 稼ぎ時を逃さない働き方をしている
• 長距離客を獲得する技術がある
トップクラスの運転手になると、年収600〜800万円を稼ぐ方もいます。学歴や経歴に関係なく、実力と努力次第で高収入を目指せるのは大きな魅力です。

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きつい瞬間を乗り越えるための5つのコツ

現役運転手たちは、きつい瞬間をどう乗り越えているのでしょうか。
1. 休憩を上手に取る
長時間勤務を乗り切るには、計画的な休憩が不可欠です。
• 2時間に1回は10分以上の休憩を取る
• 眠気を感じたら無理せず仮眠する
• ストレッチや軽い運動で血行を良くする
2. 車内環境を快適にする
自分の「職場」である車内を快適にすることで、ストレスを軽減できます。
• 腰痛対策のクッションを使用
• 好きな音楽やラジオを流す(客がいない時)
• 空気清浄機や芳香剤で車内環境を整える
3. 嫌な客は「運が悪かった」と割り切る
理不尽な客に遭遇した時は、深く考えすぎないことが大切です。
• 「こういう日もある」と割り切る
• 同僚に愚痴を言って発散する
• クレーマーは全体の数%と認識する
4. 同僚とのコミュニケーション
一人で仕事をする時間が長いからこそ、同僚との情報交換が重要です。
• 効率的な営業エリアの情報共有
• トラブル対処法のアドバイス
• 愚痴や悩みを話せる仲間作り
5. オフの日はしっかり休む
隔日勤務は明けの日が休みになりますが、しっかりと体を休めることが次の勤務のパフォーマンスに直結します。
• 明けの日は無理な予定を入れない
• 十分な睡眠時間を確保する
• 趣味や家族との時間を大切にする

タクシー運転手に向いている人・向いていない人

向いている人の特徴

  • 運転が好きで苦にならない
  • 一人で黙々と仕事をするのが好き
  • 人間関係のストレスに弱い
  • 自分のペースで仕事をしたい
  • 地理が好き、道を覚えるのが得意
  • 接客業の経験がある
  • 体力に自信がある
  • 年齢に関係なく長く働きたい

向いていない人の特徴

  • じっとしているのが苦手
  • 体を動かす仕事がしたい
  • 安定した固定給が欲しい
  • チームで協力する仕事が好き
  • 腰痛や痔などの持病がある
  • 酔客や理不尽な客にストレスを感じやすい
  • 夜型生活に適応できない

まとめ:タクシー運転手のリアルを知った上で判断を
タクシー運転手の仕事には、きつい瞬間も楽な瞬間も両方存在します。


きつい瞬間:
• 深夜帯の酔客対応
• 長時間運転による身体的疲労
• トイレのタイミング問題
• 道に迷った時のプレッシャー
• 売上目標へのプレッシャー


楽な瞬間:
• 人間関係のストレスが少ない
• 自分のペースで働ける
• 通勤ラッシュと無縁
• 年齢制限がほぼない
• 頑張り次第で高収入


大切なのは、メリット・デメリットを理解した上で、自分に合っているかを判断することです。
「人間関係のストレスから解放されたい」「自分のペースで働きたい」「運転が好き」という方には、きつい面を上回る魅力がある仕事です。逆に、「安定した固定給が欲しい」「体を動かす仕事がしたい」という方には向かないかもしれません。

タクシー業界への転職を検討している方は、まず会社説明会や試乗体験に参加して、現役運転手の話を直接聞いてみることをお勧めします。求人広告だけではわからないリアルな情報を得ることができるはずです。
タクシー運転手という仕事は、確かにきつい面もありますが、「自分らしく働ける」「人間関係のストレスが少ない」「年齢に関係なく長く働ける」という他の仕事にはない魅力があります。あなたにとって、その魅力がきつさを上回るかどうか、じっくり考えてみてください。

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アバター画像 この記事の監修者:アドバイザー紹介 ジョブズ代表 鈴木淳一
タクシー業界採用コンサルタントとして17年以上のキャリア。これまで延べ10,000名以上をタクシー就職への採用・転職へと導く。業界の採用事情から乗務ノウハウまで、常に新しい観点で信頼性の高い情報発信に努めている。本サイト"タクシージョブ"は、株式会社ジョブズが運営しタクシー業界に精通する代表が監修

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