タクシー業界 コラム

タクシー運転手の視力・血圧・持病の基準【2026年最新版】採用・乗務停止の条件を解説

📌 この記事の3行まとめ

🔴 第二種免許に必要な視力は両眼0.8以上・片眼0.5以上+深視力(誤差2cm以内)。血圧は収縮期176mmHg未満・拡張期96mmHg未満が乗務の目安

🔴 高血圧・糖尿病・うつ病などは「治療・管理状態が良好」であれば乗務可能なケースが多い——診断名だけで諦める必要はない

✅ てんかん・重度SAS・コントロール不良の疾患は乗務困難なケースあり——事前に主治医・採用担当への相談が必須

「持病があるけどタクシー運転手になれるだろうか」「視力や血圧の基準はどこで確認すればいい?」——転職前にこうした疑問を持つ方は多くいます。タクシードライバーは第二種運転免許が必要な職業であり、免許取得・更新には法律で定められた身体基準があります。しかし「基準がある=病気があると採用されない」ではありません。この記事では視力・血圧・持病ごとの基準を正確に整理し、「自分は乗務できるか」を判断するための情報をお伝えします。

⚠ この記事について
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の健康状態・乗務可否については必ず主治医・産業医・採用担当者に相談してください。法改正・通達改正により基準が変更される場合があります。

視力の基準——第二種免許の条件

第二種免許に必要な視力基準(法定)

0.8以上

両眼の視力
(矯正含む)

0.5以上

片眼それぞれの視力
(矯正含む)

±2cm以内

深視力検査
(三桿法・平均誤差)

150度以上

視野
(左右合計)

出典:道路交通法施行規則第23条・別表

✅ 矯正視力(メガネ・コンタクト)は認められる

裸眼視力が基準を満たさなくても、メガネまたはコンタクトレンズで矯正した視力が基準内であれば問題ありません。免許証には「眼鏡等」の条件が付記されます。レーシック・ICL手術後の視力も矯正視力として認められます。

深視力とは?——見落としやすい重要基準

深視力(立体視・距離感覚)は、乗用車の免許取得には不要ですが第二種免許・大型免許では必須の検査です。三桿法(さんかんほう)と呼ばれる装置を使い、3本の棒が前後に動く中で一直線に並んだタイミングを判断します。平均誤差が2cm以内でなければ不合格です。

深視力で落ちやすいケース
片眼の視力が著しく低い・斜視・弱視がある方は深視力の数値が出にくい傾向があります。事前に眼科で深視力測定の練習・相談をしておくことを強くおすすめします。

色彩識別・視野の基準

検査項目 基準 備考
両眼視力 0.8以上 矯正視力を含む
片眼視力 各0.5以上 矯正視力を含む
深視力(三桿法) 平均誤差2cm以内 3回測定の平均値
視野 左右各75度以上(合計150度以上) 片眼視野の著しい欠損は要確認
色彩識別 赤・青・黄を識別できる 色覚異常でも多くは識別可能
夜間視力 法定基準なし 会社独自で確認するケースあり
色覚異常(色盲)でも第二種免許は取得できる場合がある
赤・青・黄の3色を識別できれば色覚異常があっても免許取得は可能です。一般的な赤緑色弱の多くは信号の色を識別できるため問題にならないケースがほとんどです。眼科での事前確認を推奨します。
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血圧の基準——乗務可能ラインと対処法

タクシードライバーの血圧基準(国土交通省)

176mmHg未満

収縮期血圧(上)
乗務可能の目安

96mmHg未満

拡張期血圧(下)
乗務可能の目安

出典:国土交通省「自動車運送事業者における脳血管疾患対策について」

収縮期(上) 拡張期(下) 判定 対応
176mmHg未満 96mmHg未満 乗務可能 通常乗務。定期モニタリング推奨
176〜199mmHg 96〜109mmHg 要注意・要治療 医師による治療開始・再測定後に判断
200mmHg以上 110mmHg以上 乗務停止 治療・管理で基準値内に収まれば復帰可能
「測定値」がすべてではない——注意点
健康診断当日の緊張・寝不足・運動後などで血圧は一時的に上昇します。「白衣高血圧(医療機関での測定だけ高くなる)」の方は、家庭血圧計での記録を持参して提示することで正確な評価を受けられます。普段から血圧手帳をつけておくことを強く推奨します。

高血圧があっても乗務できる条件

  • かかりつけ医を受診し、降圧剤の処方・治療を開始する
  • 生活習慣改善(塩分制限・適度な運動・節酒・禁煙)を実施する
  • 家庭血圧計で朝夕の測定を習慣化し、血圧手帳に記録する
  • 会社の健康診断・乗務前点呼での血圧測定で基準値内を確認する
  • 定期的な受診・服薬管理を継続することで乗務継続が可能

持病・疾患別の乗務可否一覧

疾患・状態 乗務可否 条件・備考
高血圧(治療・管理中) 〇 可能 収縮期176mmHg未満・拡張期96mmHg未満に管理できていれば乗務可
高血圧(未治療・コントロール不良) ✕ 困難 脳卒中・心疾患リスクあり。治療開始後に再評価
糖尿病(食事・経口薬管理) 〇 可能 低血糖リスクが低ければ乗務可。定期的な血糖管理が条件
糖尿病(インスリン使用) △ 要確認 低血糖発作のリスク評価が必要。主治医の意見書が必要なケースあり
てんかん(2年以上発作なし) △ 要確認 主治医が「運転支障なし」と判断した場合、免許取得可の場合あり。会社採用は個別判断
てんかん(発作コントロール不良) ✕ 困難 道路交通法上の欠格事由に該当する可能性が高い
睡眠時無呼吸症候群(治療中・CPAP) 〇 可能 CPAP等で治療継続・昼間の眠気が解消されていれば乗務可
睡眠時無呼吸症候群(未治療・重症) ✕ 困難 突然の眠気による事故リスクあり。治療開始が条件
うつ病(症状安定・治療中) △ 要確認 服薬の眠気・集中力低下がなければ乗務可のケースあり。主治医の意見が重要
統合失調症 ✕ 原則困難 道路交通法上の欠格事由に該当する可能性が高い。症状・治療状況により個別判断
心疾患(ペースメーカー等・安定) △ 要確認 不整脈・心不全の種類・重症度による。主治医・産業医に相談必須
腎不全(透析中) △ 要確認 透析スケジュールと乗務の両立可能性を会社と相談。体調管理が条件
肝疾患(B型・C型肝炎等・安定) 〇 可能 症状が安定していれば乗務に支障なし。定期的な肝機能検査が必要
がん(治療終了・寛解中) 〇 可能 治療が完了し体力・認知機能に問題なければ乗務可のケースが多い
緑内障(視野欠損が基準内) △ 要確認 視野基準(左右各75度以上)を満たせていれば免許取得可。定期眼科検診が条件
白内障(術後・視力基準内) 〇 可能 手術後に視力・深視力が基準を満たせば乗務可
認知症(診断あり) ✕ 困難 道路交通法上の欠格事由。免許取消対象
アルコール依存症 ✕ 困難 断酒の継続が条件。乗務前アルコールチェックが毎回実施されるため発覚リスク高

出典:道路交通法・国土交通省通達・各社安全管理規定をもとに編集部が整理。個別の判断は主治医・産業医に相談してください。

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疾患別詳細解説

🔴 高血圧

高血圧——管理次第で乗務可能
治療・管理中 → 乗務可 未治療・コントロール不良 → 乗務困難

高血圧はタクシードライバーで最も多い健康課題の一つです。診断があること自体は欠格要件ではなく、「測定時の数値が基準内か」が判断基準です。降圧剤の服用で収縮期176mmHg未満・拡張期96mmHg未満に収まっていれば乗務継続できます。

注意が必要なのは、不規則な食事・睡眠・ストレスが多い乗務生活が血圧を上昇させやすい環境であること。乗務前の血圧測定(点呼)が義務付けられており、基準超過が続く場合は乗務停止・再検査の対象となります。

対策として塩分制限(1日6g未満)・適度な運動・服薬管理・アルコール制限が有効です。隔日勤務より昼勤・定時制を選ぶことで睡眠の質を保ちやすく、血圧管理がしやすくなります。

🔴 糖尿病

糖尿病——低血糖リスクの管理が最重要
食事・経口薬管理 → 乗務可 インスリン使用 → 要個別確認 低血糖発作リスク高 → 乗務困難

糖尿病そのものは欠格要件ではありませんが、「低血糖による意識障害」が問題になります。インスリンやSU薬(スルホニル尿素薬)は低血糖を引き起こしやすく、運転中の意識障害は重大事故につながります。

インスリン使用者でも、低血糖を適切に管理・予防できていれば乗務可能なケースがあります。その場合、主治医の「運転可否に関する意見書」の提出を会社から求められることがあります。乗務中の補食(ブドウ糖タブレット等の携行)・低血糖時の対処手順の周知も必要です。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)の管理目標を主治医と設定し、定期的な血糖モニタリングを継続することが乗務継続の条件になります。

🔴 てんかん

てんかん——発作の制御状況が最重要
2年以上発作なし・主治医が運転可と判断 → 免許取得可の場合あり 発作コントロール不良 → 免許・乗務困難

てんかんは道路交通法第90条の「一定の病気等」に明記されており、発作のコントロール状況によって免許の可否が決まります。2年以上発作がなく、主治医が「運転に支障なし」と診断した場合は第二種免許の取得・更新が認められるケースがあります。

ただし、免許があっても職業ドライバーとして採用する際は会社の安全管理規定が適用されます。公共交通機関のドライバーとして「より厳しい基準」を設ける会社も多く、免許取得と採用は別の問題として考える必要があります。

てんかんの診断がある方は必ず事前に採用担当・産業医に正直に申告し、個別に判断を仰いでください。申告しないまま採用され、乗務中に発作が起きた場合は重大事故・法的問題に発展します。

🔴 睡眠時無呼吸症候群(SAS)

SAS——治療継続で乗務可能
CPAP治療中・昼間の眠気なし → 乗務可 未治療・重症 → 乗務停止対象

睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸による慢性的な睡眠不足で昼間の突然の眠気(居眠り運転)を引き起こすため、プロドライバーにとって特に重要な疾患です。国土交通省も対策を重点指示しており、多くのタクシー会社でSASスクリーニング検査(問診・簡易検査)を実施しています。

CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を毎晩継続し、昼間の過度な眠気が解消されていれば乗務継続は可能です。CPAP使用データは会社・産業医が確認することもあるため、治療の継続性が重要です。「いびきがひどい」「夜中に何度も目が覚める」「日中に突然眠くなる」という自覚症状がある方は、転職前に睡眠外来を受診することを強く推奨します。

🔴 うつ病・精神疾患

うつ病・精神疾患——症状の安定度と服薬の影響が判断基準
症状安定・服薬の眠気なし → 乗務可のケースあり 症状不安定・服薬の影響あり → 要確認 重度うつ・統合失調症急性期 → 乗務困難

うつ病・不安障害などの精神疾患は、「症状が安定しているか」「服薬が乗務に影響するか」の2点が判断の核心です。睡眠薬・抗不安薬・抗うつ薬の中には眠気・集中力低下を引き起こすものがあり、これが乗務中の安全に影響します。

軽度〜中等度のうつ病で、症状が安定し、服薬による明らかな眠気・集中力低下がない状態であれば乗務可能と判断されるケースがあります。主治医の診断書・意見書を取得し、会社・産業医に正直に申告することが先決です。

統合失調症・双極性障害の躁状態・希死念慮のある重度うつは、道路交通法上の欠格事由に該当する可能性が高く、乗務が困難なケースがほとんどです。


健康診断の流れと引っかかった場合の対応

タクシードライバーの健康診断スケジュール

タイミング 内容 根拠法令
採用時 雇入れ時健康診断。視力・血圧・基本的な内科検査 労働安全衛生法第66条
年1回(定期) 定期健康診断。血圧・血糖・肝機能・胸部X線など 労働安全衛生法第66条
乗務前(毎回) 点呼時に血圧・アルコール検知測定。体調確認 旅客自動車運送事業運輸規則
免許更新時 視力・深視力・色彩識別・聴力検査 道路交通法
SASスクリーニング 問診・簡易検査(多くの会社で実施) 国土交通省通達に基づく

健康診断で「引っかかった」場合の対応フロー

  • 要再検査・要治療の通知を受け取る——まず落ち着いて内容を確認。即座に採用不可・乗務停止にはならないケースがほとんど
  • 医療機関を早期に受診する——主治医の診断・治療方針を確認。「乗務の可否」についても率直に相談する
  • 治療・管理を開始する——服薬・生活習慣改善などで数値を改善。血圧なら1〜2ヶ月で改善が見込めることが多い
  • 会社・産業医に報告する——状況を正直に申告。隠蔽は事故発生時に重大なリスクになる
  • 再測定・再診断を受ける——治療後の数値が基準内であれば乗務継続・採用が認められるケースがほとんど
健康診断は「落とすためのもの」ではなく「安全に働き続けるためのもの」
タクシー会社の健康診断・乗務前の血圧測定は、ドライバー自身の健康を守るための仕組みでもあります。「引っかかった=クビ」ではなく、「早期に対処して安全に乗務を続けてほしい」という意図で運用されています。隠すよりも早期申告・早期対処のほうが長期的なキャリアを守ることになります。
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よくある質問(FAQ)

タクシー運転手に必要な視力の基準は何ですか?
第二種運転免許の視力基準は両眼0.8以上・片眼それぞれ0.5以上(矯正視力を含む)です。さらに深視力検査(三桿法)で平均誤差2cm以内、視野は左右各75度以上(合計150度以上)が必要です。メガネ・コンタクトによる矯正は認められています。
タクシー運転手の血圧基準はいくつですか?
国土交通省の目安では収縮期(上)176mmHg未満かつ拡張期(下)96mmHg未満が乗務可能の基準です。測定当日の緊張や体調で数値が変動するため、普段から血圧手帳をつけておくことが重要です。降圧剤で管理し基準内に収まれば乗務継続可能です。
高血圧でもタクシー運転手になれますか?
降圧剤で血圧を管理し、収縮期176mmHg未満・拡張期96mmHg未満に収まっていれば乗務可能です。高血圧の診断があること自体は採用・乗務の欠格要件ではありません。未治療・コントロール不良の場合は脳卒中リスクがあり、会社が乗務を制限する場合があります。
糖尿病でもタクシー運転手になれますか?
糖尿病の診断があること自体は欠格要件ではありません。問題になるのは低血糖発作のリスクです。食事療法・経口薬で管理している場合は乗務可能なケースが多く、インスリン使用者は主治医の意見書を取得し会社・産業医と個別に確認することが必要です。
てんかんがあるとタクシー運転手になれませんか?
2年以上発作がなく主治医が「運転に支障なし」と判断した場合、第二種免許の取得が認められるケースがあります。ただし免許取得と採用は別問題で、会社の安全管理規定が適用されます。発作コントロール不良の場合は免許・乗務とも困難です。必ず採用担当・産業医に事前相談してください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)でもタクシー運転手になれますか?
CPAP等で治療を継続し、昼間の過度な眠気がコントロールされていれば乗務できるケースがあります。未治療・重症のSASは突然の居眠り運転リスクがあり乗務停止対象となりますが、治療開始で解消できる問題です。症状がある方は転職前に睡眠外来を受診することを推奨します。
うつ病があるとタクシー運転手になれませんか?
症状が安定し、服薬による眠気・集中力低下が乗務に支障のないレベルであれば乗務可能なケースがあります。統合失調症・重度うつ・躁状態は乗務困難なケースが多くあります。主治医の診断書を取得し、会社・産業医に正直に申告することが前提条件です。
健康診断で引っかかったら採用・乗務はどうなりますか?
即座に採用不可・乗務停止になるわけではありません。要再検査・要治療の判定が出た場合は、治療・管理後に再測定して基準内に収まれば問題ありません。血圧・視力など第二種免許の法的基準を満たせない場合は免許取得・更新が困難になります。早期受診・早期対処が最善です。

まとめ:「基準がある」=「病気だと無理」ではない

✅ この記事の結論

🔴 視力は両眼0.8以上・片眼0.5以上(矯正可)+深視力誤差2cm以内——メガネ・コンタクト使用者の多くが対応可能

🔴 血圧は収縮期176mmHg未満・拡張期96mmHg未満——降圧剤で管理していれば乗務継続できるケースが多い

🔴 高血圧・糖尿病・うつ病・SASは治療・管理状態が良好であれば乗務可能——診断名だけで諦めないこと

✅ 「自分は乗務できるか不安」という方は、まず無料相談で状況を話してみてください

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アバター画像 この記事の監修者:アドバイザー紹介 ジョブズ代表 鈴木淳一
タクシー業界採用コンサルタントとして17年以上のキャリア。これまで延べ10,000名以上をタクシー就職への採用・転職へと導く。業界の採用事情から乗務ノウハウまで、常に新しい観点で信頼性の高い情報発信に努めている。本サイト"タクシージョブ"は、株式会社ジョブズが運営しタクシー業界に精通する代表が監修

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